例えば今、目の前におにぎりが2つあるとします。あなたに与えられたものです。
ところが、周りにはあなたと同じくらいお腹を空かせた人が4人もいます。
もらったあなたが自分一人で全部食べたいと思う気持ち(貪り)も、もらえなかった人たちがそれを、恨んだり妬んだりする感情(いかり)も苦悩のひとつです。
だからといって、足りない分のおにぎりをプレゼントしてもらうのが「智慧の楽」ではないです。
そうではなくて、不足がもたらす苦悩を、自他の向上につながる楽しみや喜びとして受け止めるようになるのが「智慧の楽」ということです。
不自由に思うことが多く、苦難は避けて通りたいと願う私たちに、仏は「智慧の楽」を与えて、本当に自由自在な人生を送らせてあげようといっています。